人間の体は、約60兆個もの細胞が集まって出来ています。がん(悪性腫瘍)とは生命活動の最小単位である細胞に「3つの異常」が生じて起こる病気です。
人間の細胞は増殖し、一定期間活動を行なうと寿命を迎えます。一生を終えた細胞は新しい細胞に生まれ変わり、私たちの身体は日々更新されていきます。このようなメカニズムを決めるのが細胞の中にある遺伝子に刻まれた「遺伝子情報」です。
ところが発がん物質や活性酸素の影響により遺伝子情報に誤りが起きて、いつまでも寿命に至らない細胞が生まれたらどうなるでしょうか?
細胞は増殖を繰り返し、ついには周囲を圧迫するなどの異常を起こします。このような無制限な細胞の増殖を「自律性増殖」と呼びます。自律性増殖が起きた組織の一部が目に見えて膨らむようになると「腫瘍」と診断されますが、腫瘍であれば全てがんではありません。
腫瘍を悪性のがんと医師が診断するには「自律性増殖」に加え、さらに次に示す二つの特徴があるかを判断します。
「自律性増殖」を繰り返す細胞のうち、浸潤し、転移するのが、がん化した細胞の二つ目の特徴です。こうしてがん細胞は次から次へと増殖します。さらに三つ目の特徴として、がん細胞は自分の活動のため、正常細胞が必要とする養分を奪っていきます。そのため患者さんの体は次第に衰弱し、深刻な変調がはじまります。
人間が死に至る病気で最も多いのが、がんです。ですが、がん治療は日々進化しており決して治らない病気ではありません。しかしながら、発見が遅れ、離れたところに転移がでてしまってからの治療は非常に難しくなってしまいます。1年に一回、できれば半年に一回は検査を行い早期発見に心がけてください。